About Us

OUR STORY

私たちが目指すもの

OUR STORY

写真家である私たちは、バルセロナに拠点を置き、世界中を旅してきました。2010年には写真集「JAPAN/日本」出版のため、365日間キャンピングカーで生活しながら日本全国を巡りました。写真集を2011年に出版後、翌年バルセロナでフォトギャラリーレストラン「AKASHI GALLERY(アカシギャラリー)」を創設しました。その後も次の写真集作製のため、アカシギャラリーを経営しながらバルセロナから毎年日本での撮影を続けるなか、2019年、縁あって京都の美山でこの築110年のかやぶき古民家に出会いました。深い山に囲まれ、心地よい風が谷間を通り抜け、美しい川沿いに集落が点在し、夜空には満天の星空。現在は瓦などで覆われるものの、屋根の高いかやぶき古民家。縁側に腰を下ろせば小川のせせらぎが聞こえ、庭には山から引かれた水がこんこんと湧き出る。それは私たちが探し求めていた理想のカーサ(スペイン語で「家」の意)にこれ以上なく近いものでした。

「家(カーサ)」とはなんでしょうか。それは、物質的な大きな家、小さな家、といった家ではなく、心安らぐ場所や空間だと私たちは思います。それは、人間の毎日の生活で一番大切なもののひとつだと思います。現代社会では都市への人口移動によって田舎の過疎化に歯止めがかかりません。確かに、都市には仕事がありますし、田舎よりも便利で何不自由のない生活が送れるかもしれません。しかし、人間は時々、海を見たくなったり、山を見たくなったり、星空を見たくなったりします。なぜか私たちは美しい自然を見ると心が安らぎますが、美しい高層ビルをみても心が安らぎません。

スペインでは、多くの人たちが田舎にセカンドハウスを持ち、週末には街を離れます。セカンドハウスを所有しない人たちは、友人や家族と一緒に、カーサ・ルーラル(スペイン語で「田舎の家」の意)と呼ばれる、田舎の一棟貸し古民家をよく利用します。夏休みには数週間~1ヶ月間借りて、休暇を田舎でゆっくりと過ごします。彼らは、快適な都市生活を送ることができる家と、心休まる家を大変うまく使い分けているように見えます。そして、多くのカーサ・ルーラルは観光地にありません。彼らの週末の旅の目的は観光でなく、カーサ・ルーラルで過ごす時間そのものなのです。

なにかと忙しく便利な都会では「生きている」のか「生かされている」のか、ふと分からなくなる時があります。たとえ街で快適な住居に住んでいても、休みにはちょっと不便な田舎へ遠出すると、自然の中で生きている自分を感じることができます。「生きている」自分を感じられる家で時間を過ごすと自然に心が安らぎます。そんな「家(カーサ)」を提供するため、私たちは京都の田舎、美山にある築110年のかやぶき古民家を改修しました。私たちの家が皆さんの「カーサ・ルーラル(田舎の家)」として役立ち、心休まるひと時を、大切な人と過ごしていただければ幸いだと思います。

CASA MIYAMA 代表 森本徹、ティナ・バゲ

CASA MIYAMA オーナー

ティナ・バゲ

写真家
バルセロナ出身。トラベルフォトグラファーとして世界各国をめぐり、スペインを始めヨーロッパの雑誌で作品を掲載する。2002年から日本を主に撮影する。2011年写真集「JAPAN/日本」を森本徹と共著で出版する。

森本徹

写真家
兵庫県出身。長年ドキュメンタリー写真家として世界で活躍してきた。近年、プラチナプリントや湿板写真といった古典写真技法で作品を創作する。2020年、彼のプラチナプリント写真集「SHIZEN」がイタリアの出版社から出版される。